BTQとQPerfect、量子ワンショット署名のゲートレベル設計を公開
BTQ Technologiesと子会社QPerfectが、1つのメッセージしか署名できない鍵について、難読化前の具体的な量子ビット数とゲート数を示した。
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BTQ Technologiesとそのフランス子会社QPerfectの研究者は、「ワンショット署名」(one-shot signature)の明示的な量子回路を公開した。これはちょうど1つのメッセージに署名すると使えなくなる暗号鍵である。論文A quantum algorithm for one-shot signaturesはこの方式の量子ビット数とゲート数を示しており、arXivの記載によればACM PQQS 2026での発表が決まっている。
発表内容
通常のデジタル署名方式では、秘密鍵は無制限に複製・再利用できるビット列だ。QPerfectの解説記事は委任を例に問題を説明する。アリスがボブに自分の代わりに緊急のソフトウェア更新を1回だけ承認してほしい場合、鍵を渡せばボブは無制限の権限を得てしまい、鍵の使用を記録する公開台帳も改ざんされうる。ワンショット署名は古典的な秘密鍵を量子状態に置き換える。署名にはその状態の測定が必要で、測定により状態は壊れ、複製不可能定理によって事前にバックアップを取ることもできない。
QPerfectによれば、この考え方は2020年にRyan Amos、Marios Georgiou、Aggelos Kiayias、Mark Zhandryが提唱した。新しい論文はそれを理論から具体的な量子命令へと進めた。
技術的な詳細
方式は2段階からなる。鍵生成で古典的な公開鍵と量子秘密鍵が作られ、署名時にはその量子鍵がメッセージとともに処理されて、通常のコンピューターで検証できる古典署名になる。論文によれば、この構成にはアルゴリズム誤差がない。パンクチャ可能な擬似ランダム関数で決まるランダムなアフィン剰余類の要素の重ね合わせを準備し、剰余類への所属を判定する回路を組み合わせる。
要旨によると、論理量子ビット数はΘ(κ log r + n + l)、ゲート計算量はΘ(n³ + nl)で増える(lはメッセージ長、κはセキュリティパラメーター)。Quantum Computing Reportは、調べたセキュリティパラメーターに応じて1ビット署名に206〜2,438論理量子ビットが必要で、回路はQPerfectのMIMIQエミュレーターで検証されたと伝えている。
なぜ重要か
一度しか使えないことが信頼や合意ではなく物理法則によって保証される鍵は、著者らが挙げる委任署名、安全なトークン移転、公開検証可能な乱数といった用途を可能にしうる。QCRは、使用時まで量子鍵を保持するには、中性原子プロセッサーのようにコヒーレンス時間の長いハードウェアが有利だと指摘している。
今後の注目点
著者らは、これは難読化前の数値だと明言している。安全な版には、修正された鍵生成と、難読化した構成に対する安全性証明がまだ必要だ。QCRは、入力状態の悪意ある操作から鍵生成を完全に守るには、量子難読化の今後の進展が必要だと付け加える。必要な論理量子ビット数を考えると、実用的な展開は現在のハードウェアの能力を超えている。
出典
このページの情報は、以下の出典をもとにDesignQuantumが収集したものです。
- A quantum algorithm for one-shot signatures (arXiv:2606.23612) arxiv.org
- The quantum signing key that self-destructs (QPerfect) qperfect.io
- BTQ Technologies and QPerfect Deliver First Circuit-Level Implementation of Quantum One-Shot Signatures (Quantum Computing Report) quantumcomputingreport.com
- BTQ | Building Trusted Quantum btq.com