IBM、4本の超伝導量子ケーブルで2つの120量子ビットチップを接続
IBMの研究者が、2基の120量子ビット・プロセッサ間を結ぶ4チャネル接続を報告。arXivのプレプリントでは、量子状態転送の平均忠実度99%を示した。
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IBMの研究者は、2基の120量子ビット超伝導プロセッサ間で4チャネルの量子インターコネクトを実証したと述べている。これは、単一のより大きなダイではなく、複数チップで構成するモジュラー型システムに向けた一歩だ。10月27日にarXivへ投稿された研究で、チームはメートル級の超伝導リンクを介した量子状態転送の平均忠実度99%、さらにチップ間ゲートで平均94.75%の忠実度を報告した。この研究はプレプリントである。
発表された内容
プレプリントでは、IBMはそれぞれ120量子ビットを備える2基のNighthawk R1プロセッサを、低温システム内で長さ約80センチメートルの4本のアルミニウム同軸ケーブルで接続した。研究者らはこのリンクを用いて、量子状態の転送、別々のチップ上の量子ビット間での演算、そして両方のプロセッサにまたがるエンタングルメントの生成を行った。
IBMはこの結果について、大規模な超伝導量子プロセッサ間におけるマルチチャネル量子インターコネクトの実証としては、同社の知る限り初めてのものだとしている。この構成では240量子ビットすべてを用いたわけではない。代わりに、開発を迅速化するため、チームはインターコネクト近傍の選択した量子ビットを配線し、測定した。
技術的な詳細
各リンクでは、ケーブル両端に専用の量子ビットを配置し、それらの量子ビットとマイクロ波リンクの相互作用を、調整可能な結合素子で制御した。研究者らはネットワーク・ベンチマーキングを用いて双方向の状態転送忠実度を測定し、4本のリンクすべてが98.86%を上回ったと報告した。最良のリンクは99.29%に達し、不確かさは0.07パーセントポイントだった。
続いてチームは、この接続を使って異なるプロセッサ上の計算用量子ビット間で制御Zゲートを実装した。これらのリモート・ゲートには、2回の状態転送、3回のローカルな2量子ビットゲート、さらに追加の1量子ビット制御が必要だった。これらの遠隔ゲートの平均忠実度は94.75%で、最良では96.42%に達し、不確かさは0.28パーセントポイントだった。
IBMはまた、2つのチップにまたがって分配されたエンタングル状態についても報告した。研究者らは隣接するリンクを通じて2組のエンタングル対を同時に生成したが、同時動作中には一方の対でより低い忠実度が見られた。さらに、両プロセッサにまたがる4量子ビットおよび6量子ビットのエンタングル状態も作成した。測定された忠実度は、4量子ビット状態で77.23%、6量子ビット状態で67.67%だった。測定誤差に対する統計的補正後、これらの値はそれぞれ91.70%と90.87%に上昇した。
実装と信頼性
この研究で注目される点の1つは、機械的および極低温での統合だ。ケーブルはチップ表面に対して垂直に取り付けられており、研究者らによれば、この幾何配置は従来の平行配置よりも高密度なインターコネクト設計に適している。接続には、プロセッサモジュールをクライオスタットに搭載した後、室温で形成したインジウム同士の圧接結合が使われた。
研究によれば、4本のリンクはすべて、接続調整を行うことなく3回の昇温・冷却サイクルを通じて動作し続けた。
論文ではまた、冷却中の磁場がケーブル損失の要因であることも指摘している。IBMはケーブル周囲に2層の磁気シールドを追加したが、研究者らはシールド編組を暫定的な措置だとしている。
なぜ重要か
この結果は、超伝導量子コンピューティングのスケーリングにおける中心的な問い、すなわち有用な計算に必要な量子情報を過度に失うことなく複数のプロセッサを接続できるかという問題に取り組むものだ。より大きなシステムをモジュールから構築することで、チップサイズ、配線、パッケージングをめぐる物理的制約を緩和できる可能性がある。
同時に、このデータは、基本的な状態転送と完全な分散演算のあいだになお残る隔たりも示している。IBMの誤差モデルでは、状態転送誤差の約77%は、ケーブルと専用量子ビットのコヒーレンスの限界、特に位相緩和に起因するとされた。研究者らは、実験を迅速に進めるため、量子ビット性能の向上に有効と知られる一部の製造・加工工程を意図的に省略したと述べている。
注目点
次の試金石は、IBMが4本の動作するリンクを、忠実度を高めながら、より多数の再現可能で製造可能な接続へと発展させられるかどうかだ。論文はまた、遠隔ゲートに必要な工程数を減らすため、インターコネクト要素をプロセッサ格子に直接統合するというアーキテクチャ変更の可能性も示している。
現時点でこの研究が示したのは、完全なモジュラー量子コンピュータではなく、有望なサブシステムである。著者らの言葉を借りれば、今後の課題は、誤り訂正計算の中でこうしたリンクを信頼性高く繰り返し利用することにある。
出典
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